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2009年 07月 22日

宇宙英雄物語はやっぱり面白い

一般人の日記風なタイトル。

なるえが1冊抜けで全巻水濡れ持ってたはずなんだけど、全然出てきません。
しょうがないのでSFつながりで90年代スペースオペラ漫画の傑作、
アウトロースターやエンジェルリンクスで有名な伊東岳彦の宇宙英雄物語を読み直しました。
(最速はアウトロースターは1巻、リンクスは全然見てないので判りませんが、同じ宇宙観だそうですね)

母の実家前にあるこれまた親戚のラーメン屋にコンプだったかな?が毎回置かれていまして、
実家近くに住んでいた頃、ラーメン食べがてら漫画読みに行った時に見て興味を持ちました。

女の子の裸目当てで。

・・・当時小学校5年生くらいですよ・・・しょうがないじゃないですか・・・

全巻どんと揃えて読んだあと、初めてまじめに絵を勉強し始めました。

ムキムキの男が書きたくて。

その後10年ほど経て、ムキムキの男でデッサン満点を頂きました。

おいといて。

この漫画は実に日本人らしい、実に90年代らしい漫画です。
勢いだけで最初から最後まで走り抜ける作品、作者のつぶやきや、キャラの作者に対する突込みが入る作品。
そういった作品が多くあった時代と、今のなんでもありのごった煮萌え作品の中間にあたる漫画でしょうか。

元々SFの世界はパロディ、オマージュの塊のような作品が多いのが特徴といえば特徴なのですが、
宇宙英雄物語もその例外ではなく、
第一話ののっけからキャプテンフューチャーのパロディで始まります。
作中のいたるところにあらゆるスペオペのパロディが仕込まれ、また作者の別作品の話なども混ぜられています。
「ここでいきなりこんなのが?」「これは強引すぎるんじゃ?」と思うことも稀にありますが、
そういう点があればまずパロディを疑うのが正しいというところでしょうか。
しかし全体を通せば少なく、そういった知識が無くても気になることはほとんどありません。
パロディが判らなければ作品も楽しめないということもないと思います。ラストを除いて。
とりあえず主要面子が「キャプテンフューチャー」と「地球の静止する日」のパロディなので、
それだけ見ておけばこの物語を楽しむには十分といえますが、キャプテンフューチャーはとても長いです。
究極、地球の静止する日だけでもOKでしょう。
名作ですので、どこのレンタルビデオ店でも見ることが出来ると思います。
最近はキアヌリーブス主演でリメイク出たらしいですね。私は見てないですが・・・
あるいは漫画を読んでから映画を見、また漫画を見るのもいいでしょう。


古典スペオペと言うのが正しいんでしょうか、
違う宇宙があり、魔法があり、エーテルがあり、善と悪がある。
火星や金星に生物の可能性が考えられていた時代のスペースオペラです。
また、こちらの宇宙には無い惑星があったりします。


序盤はとても普通な・・・燃えもしないし、感動もしない・・・ただの、普通のどたばたで始まります。
作中では何度も「燃える」とキャラが感動するシーンがありますが・・・別にそうでもなく。
パロディの元ネタを知っていれば面白いか、逆に憤慨するかのいずれかだったでしょう。
別に怒るほど詳しくも無いし、投げ出すほどつまらなくもないので
作品の勢いに強引に流されるまま読み進めていくと、次第にその勢いがなくなっていき、
変わって謎が生まれ始めます。
なぜ勢いだけで話が進むのか?
なぜ正義が勝ち悪が滅びるのか?

次第に主人公も、自分が夢描いた「英雄」とその「物語」について疑念を持つようになります。


キャプテンフューチャーファンなどは激怒しかねないレベルの、低俗なパロディ漫画にしか見えません。
最後の最後まで、このパロディは続きます。
しかしながら最後まで読めば、あるいはその評価は一転させられかねない題材です。

またそのメカデザインや書き込みのこだわりには目を見張るものがありますので、
そちらが好きな方にもお勧めできると思います。

ディレクターズカット版、新装版などもあり安価で手に入れられる作品ですので、
お近くの古書展で見かけられた方は是非ご一読を。

by goukasoshina | 2009-07-22 07:49 | 最速の日常


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