2009年 07月 17日
昔読んだ本とか思い出す機会があったのでメモもかねて。 NANIWA捜神記シリーズ.栗府二郎。 2008年(書かれたのは98年なので近未来)。建物は丸くないし、車も空を飛んでいない それほど未来的にもならなかった日本。 見鬼の力を持つ私立探偵トキヤに、遠方から訪れた少女が探し人の依頼をする。 探す相手は「神様」。手がかりは「ナニワは滅びる」。 話自体はすごく好きだったのだけど、いまひとつ足りない人だったなあ。 惜しむらくは「現実的な近未来」を作り上げた結果、現実よりずっとパソコンの性能がしょぼくなってるということでしょうか。 あ、そういえば物語のキーキャラクターとして完全デジタルの(実写と区別のつかない)アイドルがいるんですが、 初音ミクっていつごろ出てきたんでしたっけ? うーん、未来来てますねえ。 星くず英雄伝。 なんか結局9巻で止まってるらしい。ダブルブリッドといい、なんで10巻構成で9巻で筆を止めちゃう人多いの。 ヘタれ主人公が強くなり、強敵を打ち破る中で大人になっていき、望まぬ権力を手にし、 大戦で力を使い果たし、力を取り戻せと強要され、船墜落のド級のピンチになって「それでも力を使わなかった。」で引き。 ああ、やっぱりうそだったのね!でどうなるの最終巻! エロ分を差っぴいてしまえば相当正統派なSFファンタジー。だったのに(´・ω・`) カレイドスコープの少女 ある日酒場で聞いた歌姫の声は、人でなければ絶対に出せない感情の色がこめられたすばらしい歌声だった。 しかし主人公は素直に感動できなかった。職人である彼には、どう見てもその歌姫が機械にしか見えなかったから。 一時期は検索をかけると銀板なんたらばっかりでうんざりした作品。ひさびさに検索かけたら不通にかかってきた。 長編1巻完結モノ。一応シリーズモノとしてもできたとは思うけど、この形で引いたのはベストだったと思う。 いまはもうメジャーなイラストレーターになりましたが、四季童子の初期の挿絵作品になるんじゃないですかね。 この作品の良いところは主人公がガキであるということでしょうか。16かそこらだったと思いますが、 こんなガキにそんな力ねーだろ!と思うような場面がありませんでした。 最終的にムッキムキな騎士団長とやりあうはめになりますが、普通に負けます。弱すぎた。 ガキは所詮ガキ、という点をはっきり示した上ヒロインもいつ死ぬのかも判らんような状態ですし 割とお不幸様な作品なのですが、それを感じさせない幕の下ろし方でした。 ミュートスノート戦記。 主人公はある事故でショッカー的な悪の集団の改造人間的な生物になってしまう。 元の体を手に入れるため、また復讐のため、襲い来るショッカー的な悪の集団の手先と戦い続ける。 どうにか敵の尻尾を掴み、一般人の関係者らを片っ端から殺して回る日々の中で、 ある日同校の少女までもが改造人間的な生物であり、望んでその立場にいることを知る。 何のために戦うのか、戦うことに意味があるのか、考えないようにしてきた思いが強くなる。 結局は私利私欲のため、復讐のために戦う、きれいも汚いもありゃしないんだと迷いを断ち切り少女を殺す。 屍山血河を築き上げ、ついに主人公は敵の本拠地へと赴く。ぼくたちの戦いはまだまだ続くっ(完) おわんじゃねーですよ(´・ω・`) ジャンプの打ち切り漫画レベルの終わり方した作品。挿絵は七瀬葵とかじゃなかったっけ? この作品は例えるなら昭和ライダーが最も近いと思います。主人公らが高校生なので、 平成ライダーに昭和ライダーの理念を追求させたらこうなるんじゃね?といったところでしょうか。 すさまじい勢いで人が死にます。ばったばったと死んでいきます。 坊主憎けりゃ袈裟まで憎いの精神でどいつもこいつもフルボッコにしていきます。 またいわゆる「変身シーン」の描写も深く、これまたいわゆる「フォームチェンジ」があるのですが その都度、変身後の五感の冴えまで書かれていて、明確なイメージが伝わってきました。 ものすごく好きだっただけに、あの終わり方は非常にショックでしたね。 大久保町シリーズ 大久保町の決闘 兵庫県明石市大久保町はガンマンの町である。ここでは男はみんな拳銃を携帯しているし、 決闘で人を殺しても罪にはならない。そんな馬鹿なと言われても本当のことである。この本に嘘はない。 大久保町は燃えているか 兵庫県明石市大久保町は現在ナチス占領下にある。第二次世界大戦終結後、再起を誓って潜伏したナチスの残党などとの関係は謎であるが、とにかく占領されている。嘘ではない。本当のことだ。 さらば愛しき大久保町 兵庫県明石市大久保町に外遊中の王女様がやって来た。信じ難いが、本当だ。訪問の理由が“標準時の町であり、人類のルーツ明石原人がうじゃうじゃいると言えばそこはもう日本の中心地”という侍従の勘違いなのだから仕方あるまい。 1作目、大久保町の決闘を読んだ時私は10歳をちょっと越えたあたり。 あとがきまで再三に渡ってうそじゃないって書かれていてちょっと信じかけた。 方々で「執筆を続けていればSFの歴史が関西の方向に10年進んだ」といわれる鬼才、田中哲弥の作品。 後にSF「やみなべの陰謀」翻訳「悪魔の国からこっちに丁稚」等を書くも長く消息を絶つ。 ライトノベルでは有名な月刊誌向けにひさびさに書いたライトノベルでセクロスシーンを書いて 出版社に窓から投げ捨てられたところをハヤカワにキャッチされ現在に至るとかなんとか。 反省してる様子はない。 大久保町、やみなべはハヤカワで復刻したっていうからぜひとも欲しいと思ったけど 店頭で確認したら挿絵が変わってて残念すぎた。全然合ってない(´・ω・`) 信じられないくらい面白い。へたな漫画なんかよりずっと面白い。ずっとお笑いを見ている気分になる。 しかも面白い。笑うという意味じゃなくよく作りこまれているとかの意味で面白い。やみなべとか感動モノだった。 丁稚は結局手が伸びなかったけど、こっちも超訳と噂されてましたね。 そういや彼が担当した回のアベノ橋商店街もまたすっ飛んでいましたが、 あれでもだいぶ削ったんだとか。カット前の原稿が欲しいです。 世の中が萌えアニメブームに目覚め始めた頃、彼目当てでアベノ橋見てた人ってどのくらいいるんでしょうね。 他の脚本家なんて(全てのアニメを含めて)全然知りません。 ライトノベルでうなるほど面白かったのは誰と聞かれると、 高畑京一郎とこの田中哲弥がすぐ上がります。
by goukasoshina
| 2009-07-17 07:07
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